今日も仕事帰りに、あかりちゃんのサロンの前で待ち合わせ。
閉店時間ぴったりに出てきたあかりちゃんは、いつものように元気いっぱいで、
「お待たせ〜！ 今日はちゃんと保湿してる？」って、いきなり頬をぷにっとつついてきた。
まだ慣れてなくて、こっちは顔が真っ赤。
でもあかりちゃんはそんなの気づいてるくせに、「照れてる〜かわいい〜」って笑ってくる。
ずるいよなぁ、ほんと。
駅までの道、あかりちゃんがずっと喋ってて、
「お客さんのときは真面目だったのに、今は全然違うね」って言われた。
あのころは、ただの客と担当だったから、
話しかけられるだけで心臓が変なリズムで鳴ってたんだ。
今だって、それは変わらないけど。
帰り際、あかりちゃんが急に小声で言った。
「今日も来てくれてうれしかった。なんかね、仕事の疲れが消えるんだ」
その言葉、こっちこそだよ、って言いたかったけど、
喉の奥で言葉が詰まって、代わりに頭をぽん、と撫でるのが精一杯だった。
彼女はちょっと驚いた顔をして、それから満面の笑み。
あの笑顔を見ると、「あぁ、本当に付き合ってるんだな」って実感する。
