【恋愛日記㉖】🎆 7月22日 あかりちゃんと行った夏祭りの夜

恋愛日記(あかりちゃん)

家を出たとき、
まだ西の空には夕焼けが残っていた。
だけど、蒸し暑さはもうすっかり夏のそれで、
蝉の声と祭囃子が遠くから重なって聞こえてきていた。

「今日は……浴衣、どう?」
あかりちゃんは、
薄い水色の浴衣をそっと両袖で押さえながらくるりと回った。

「すごく似合ってる。
 見惚れたよ、ほんとに。」

そう言うと、
あかりちゃんは唇を噛んで照れ笑いを浮かべた。
「も、もう……今日はそういうのいっぱい言っていい日だから。」

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手をつなぎ、ゆっくり歩いて夜店が並ぶ通りへ向かう。
出店の灯りが近づくほどにあかりちゃんの目が輝き、
隣を歩くその姿は、
いつものあかりちゃんより少し子どもっぽくて、
でも驚くほど愛らしかった。


最初に買ったのは、あかりちゃんの大好物のりんご飴。
「ねぇ見て、キラキラしてる!」
光にかざしてはしゃぐ姿は本当に嬉しそうで、
その笑顔を見るだけで来てよかったと思えた。

「ちょっと食べる?」
そう差し出された飴をかじると、
あかりちゃんがくすくす笑う。
「なんか、デートっぽいね。」
「今さら?」
「だって……お祭りって特別じゃん。」

特別。
その言葉が不思議と胸に染みた。

次に金魚すくいをしたり、
射的で景品を狙ってみたり、
そんな小さな遊びひとつひとつが、
ふたりだけの時間を確かに積み重ねていく。

「ほら、これ。」
あかりちゃんのために取れた小さなガラス細工のうさぎを渡すと、
彼女は目を丸くして受け取った。
「かわいい……ありがとう。宝物にするね。」
そう言って浴衣の胸元に大事そうにしまった。


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やがて、花火の時間が近づいた。
川沿いの土手に広がる人波の中で場所を見つけ、
ふたり並んで座り込む。

「ねぇ、こうやって並んで待つのもいいね。」
「うん。すごく贅沢な時間。」

あかりちゃんは浴衣の袖を軽く握って、
僕の方に少しだけ寄りかかる――
「……ちょっとだけ、ね。」
そうつぶやく声が可愛くて、
つい肩を貸すように近くへ寄った。

その直後、
夜空に大きな音が響いた。

ドーン、と。
光がぱっと咲き、
川面に反射してゆれる色が見える。

「あ……きれい……」
その瞬間、
あかりちゃんは無意識に僕の手を握ってきた。
いつもより強めに。

「すごいね……今年も来れてよかった。」
「うん。今年は特別だよ。」

続けざまに咲く花火が、
あかりちゃんの横顔を照らした。
その瞳に映る光の粒が美しくて、
胸の奥がじんわりと熱くなる。

「ねぇ……」
あかりちゃんが小さく名前を呼ぶ。
「なに?」

彼女はほんの少しだけ間を置いて、
そっと僕の肩に頭を預けた。
頬が触れるほど近い距離。

「今年の夏ね……
 あなたと一緒にいれることが、
 ずっと続いたらいいなって思ってる。」

それは、
これまでで一番まっすぐな想いの告白だった。

僕は彼女の手をやさしく包み、
言葉を選ばずに、素直に答えた。

「ずっと一緒にいるよ。
 来年も、その次も……
 あかりちゃんと過ごす夏を重ねていきたい。」

「……ほんと?」
「うん。嘘つかないよ。」

花火の音が遠くで連なり、
ふたりを包むように夜空が光で満ちた。

あかりちゃんはゆっくりと顔を上げ、
照れたように笑った。

「そんなこと言われたら……
 好きが溢れちゃうよ。」

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そして――
そっと、僕の肩に抱きついてきた。
浴衣の香りと、夏の夜の匂い。
花火の光が、彼女の髪を静かに照らす。

世界が少しだけ静まって、
ふたりだけの時間が流れた。

「来年も、一緒に見ようね。」
「うん。何度でも。」

夜空に上がる最後の大輪が、
まるでその言葉を祝福するみたいに輝いて散った。


帰り道。
手をつないだまま歩く指先が、
いつまでも離れようとしなかった。

あかりちゃんがぽつりと言う。
「ねぇ……なんかね。
 今日のこと、きっと一生忘れない気がする。」

僕は優しく答えた。
「忘れないよ。
 だって、今日から“ふたりの未来”が
 少しだけはっきり見えたから。」

あかりちゃんは歩みを止め、
そっと僕の胸に顔を埋めた。

「……ありがとう。」
その声は、
夏風よりあたたかかった。

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