【恋愛日記⑱】🎃 10月31日 あかりちゃんと過ごすハロウィンの夜

恋愛日記(あかりちゃん)

夕方、街を歩くと、オレンジ色の飾りが風に揺れていた。
カボチャのランタン、黒猫の看板、
店先にはハロウィン限定のスイーツ。
あかりちゃんは、それを見ながら
「かわいい〜」と何度も声を上げていた。

「ねぇ、これ見て! チョコの中に小さいカボチャが入ってる!」
「ほんとだ。あかりちゃん、こういうの好きだよね。」
「うん。だって、なんか“季節がぎゅって詰まってる”感じするじゃん。」

彼女のその言葉に、
僕は思わず笑ってしまった。
あかりちゃんの中には、
ちゃんと季節ごとの「楽しみ」がある。
春の桜、夏の花火、秋の月見、そして冬の灯り。
そのどれもを丁寧に感じ取って、
笑顔に変える人だった。


夕飯は、彼女が作ってくれた。
ハロウィンらしく、
カボチャのグラタンとチキンのソテー。
テーブルにはオレンジ色のランチョンマットが敷かれ、
ろうそくの灯りが小さく揺れている。

「雰囲気出てるでしょ?」
「うん、完全にハロウィンだね。」
「お菓子もあるんだよ。あとで“トリック・オア・トリート”しよ?」

「……え、俺もするの?」
「もちろん!」
あかりちゃんは楽しそうに笑った。

食事のあとは、
二人で映画を観ながらお菓子をつまんだ。
外では風が木々を揺らしていて、
窓の外の月が雲の間からのぞいている。

「ねぇ。」
「ん?」
「この前、泣いた日のこと覚えてる?」
少し照れくさそうに、あかりちゃんが言った。

「もちろん。」
「……あのときね、あなたが何も言わずにそばにいてくれたの、
 すごく嬉しかったんだ。」

「うん。」
「だから、今日はそのお礼がしたかったの。」

そう言って、
あかりちゃんはカゴの中から
小さな包みを取り出した。
中には、
ハンドメイドの小さなキーホルダーが入っていた。

革紐に、
小さく刻まれた文字が見える。

『ずっといっしょに。』

「……作ったの?」
「うん。
 不器用だから時間かかっちゃったけど、
 どうしても渡したくて。」

言葉が喉の奥で止まった。
あかりちゃんは、
少し恥ずかしそうに笑いながら続けた。

「これ、ペアなんだよ。
 もう一個は私のカバンにつけてる。」

「……ありがとう。
 大事にする。」

気づくと、
自然に彼女の手を握っていた。
その手は少し冷たかったけど、
指先から確かに伝わるものがあった。

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「ねぇ。」
「うん?」
「来年のハロウィンも、一緒にこうして過ごせるかな。」

「もちろん。」
「……じゃあ、再来年は?」
「うん。」
「その次の年は?」

「ずっとだよ。」

そう答えると、
あかりちゃんは一瞬黙って、
小さく「ふふっ」と笑った。

「なんか、安心した。
 私ね、未来のこと考えるのちょっと怖くて。
 でも、あなたといると、
 “あ、大丈夫かも”って思えるの。」

「大丈夫だよ。
 俺も同じだから。」

あかりちゃんはその言葉を聞いて、
そっと僕の肩にもたれた。
彼女の髪からほのかに甘い香りがして、
それがろうそくの灯りと混ざり合って、
夜がゆっくりと深まっていった。


映画が終わったあと、
外の風が一段と冷たくなっていた。
窓の外に見える街の灯りが、
どこか遠く感じるほど静かな夜だった。

「ねぇ。」
「うん。」
「私、やっぱりあなたのことがすごく好き。」

その言葉は、
いつもより少し震えていて、
でもまっすぐだった。

「俺も。」

短い言葉だったけど、
それで十分だった。

あかりちゃんは安心したように笑って、
「じゃあ、ハロウィンの魔法だね。」とつぶやいた。

「魔法?」
「うん。
 今日の夜、ずっとこの気持ちが消えませんようにって。
 そういう魔法。」

「……それなら、俺も一緒にかけようか。」
「うん。ふたりでかけよ。」

ふたりで小さく指を絡めて、
「消えないでね」
「消えないよ」
そう囁き合った。

ろうそくの火が最後にひとつ、
ふっと揺れて消えた。
その瞬間、
あかりちゃんの笑顔が、
夜の中で一番明るい光になった。

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その夜、帰り際。
玄関先で彼女が小さく手を振った。

「また明日ね。」
「うん。明日も会おう。」
「ふふっ、“明日も”っていいね。」

彼女がそう言って笑った瞬間、
心の中に“ずっと”という言葉が
自然に浮かんだ。

――あかりちゃんと過ごす時間は、
 季節ごとに形を変えながら、
 確かに積み重なっていく。

そしてこの夜、
ふたりははっきりと感じていた。

もう“恋”という言葉よりも、
もっと深い何かで結ばれているのだと。

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