【恋愛日記⑩】🎂 1月18日 あかりちゃんに祝ってもらった誕生日

恋愛日記(あかりちゃん)

午前中から雪がちらついていた。
窓の外に舞う白い粒を眺めながら、
「今年は静かな誕生日になりそうだな」と思っていた。

午後、スマホが震えた。
“19時、準備しておいてね。外出禁止だよ。”
送り主は、もちろんあかりちゃん。

【PR】【DMM FX】について詳しくはこちら

それだけの短いメッセージなのに、
胸の奥がふわりと温かくなる。
たぶん、彼女のことだから、
きっと何か考えてくれているんだろう。

夕方になると、
部屋のチャイムが鳴った。
ドアを開けると、
そこに立っていたあかりちゃんは、
小さな紙袋を抱えて少し照れたように笑っていた。

「おじゃまします、誕生日の人。」
「どうぞ、どうぞ。」
「ちゃんと外出禁止守ってたね。えらい。」

テーブルの上に紙袋を置くと、
中から小さなケーキの箱と、
手作りらしい包みが出てきた。

「ケーキ、特別なやつじゃないけど、
 一緒に食べたらおいしいかなって。」

箱を開けると、
いちごがのった小さなショートケーキ。
ロウソクを立てると、
部屋の灯りを少し落として、
彼女が「せーの」と言って火をつけた。

淡い光に照らされたあかりちゃんの顔が、
いつもより少し優しく見えた。
「お誕生日おめでとう」
その声は、まるで雪が降る音のように静かで、
でも確かに心に響いた。

火を吹き消すと、
彼女が拍手をして笑った。
「願い事、ちゃんとした?」
「うん。……でも言ったら叶わなくなるんだっけ?」
「そうだね。でも、
 その顔見たら、きっといい願い事だったと思うよ。」

ケーキを分けながら、
あかりちゃんは何度も「おいしいね」と言っていた。
クリームが少し口についたのを慌てて拭う姿に、
僕は思わず笑ってしまう。

「もう、笑わないでよ」と言いながら、
彼女も一緒に笑った。
その笑い声が、
この夜のいちばんの贈りものだった気がした。

食後、あかりちゃんが包みを差し出した。
「これ、プレゼント。大したものじゃないけど……」

開けると、中には手編みのマフラーが入っていた。
落ち着いたグレーで、
ところどころ糸の太さが違うのが、
かえってあかりちゃんらしかった。

「編み物なんて初めてで、
 最初はぐちゃぐちゃだったけど、
 どうしても渡したくて。」

その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなった。
「ありがとう。……本当にうれしい。」
そう言うと、
あかりちゃんは少し俯いて、
「よかった」と小さくつぶやいた。

僕はそのマフラーを首に巻き、
「どう? 似合う?」と聞くと、
あかりちゃんは顔を上げて、
少し照れながらもうなずいた。

「うん。あったかそう。
 あ……それ、私が作ったから、
 たぶん気持ちも少し入ってると思う。」

その言葉に、
もう何も言えなくなった。
ただ、そっと彼女の手を取って、
「ありがとう、あかり。」とだけ言った。

窓の外では、雪が静かに降り続いていた。
その白い景色の中で、
部屋の明かりがふたりを包み込む。
何も派手なことはない夜。
でも、確かに“幸せ”と呼べる温度がそこにあった。

楽天トラベル(レンタカー)
タイトルとURLをコピーしました